人工膝関節置換術後感染創に対する腓腹筋弁(内側頭)移行術

人工膝関節置換術(Total Knee Arthroplasty:以下TKA)後の感染で皮膚軟部組織欠損を生じると,感染制御の困難さに加え,欠損の被覆に難渋することも少なくない。TKA 術後感染症例 4 例に対し,腓腹筋弁内側頭を用いて再建を行った。創部をデブリードマン後に腓腹筋内側頭を遠位の腱膜部で切離して挙上,筋弁を翻転し,膝蓋部へ移行した。筋弁上には植皮術を施行した。術後,全例で筋弁・植皮片は生着し,感染の再燃なく,膝関節屈曲機能の改善が得られた。TKA 術後感染創に対する腓腹筋弁による再建は,筋採取に伴う機能障害も少なく,感染制御の観点からも有用と考えられた。...

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Published inJapanese Journal of Surgical Wound Care Vol. 8; no. 3; pp. 91 - 96
Main Authors 岡根谷, 哲哉, 中道, 美保, 大西, 清, 中村, 卓司, 荻野, 晶弘, 関口, 昌之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本創傷外科学会 2017
Japan Society for Surgical Wound Care
Subjects
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ISSN1884-880X
DOI10.11310/jsswc.8.91

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Summary:人工膝関節置換術(Total Knee Arthroplasty:以下TKA)後の感染で皮膚軟部組織欠損を生じると,感染制御の困難さに加え,欠損の被覆に難渋することも少なくない。TKA 術後感染症例 4 例に対し,腓腹筋弁内側頭を用いて再建を行った。創部をデブリードマン後に腓腹筋内側頭を遠位の腱膜部で切離して挙上,筋弁を翻転し,膝蓋部へ移行した。筋弁上には植皮術を施行した。術後,全例で筋弁・植皮片は生着し,感染の再燃なく,膝関節屈曲機能の改善が得られた。TKA 術後感染創に対する腓腹筋弁による再建は,筋採取に伴う機能障害も少なく,感染制御の観点からも有用と考えられた。
ISSN:1884-880X
DOI:10.11310/jsswc.8.91