締め固めたベントナイトの膨潤圧と透水係数の室内試験による評価上の留意点

本論文では,放射性廃棄物処分において放射性核種の移行を抑止するためなどの理由により用いられる締め固められたベントナイトの膨潤圧と透水係数を室内試験により測定する際,また数値解析に用いるためにモデル化する際の留意点を述べた.締め固めたベントナイトの膨潤圧に関しては,既提案の吸水膨潤時の応力・ひずみモデルにより,膨潤圧試験装置の軸方向剛性,供試体高さ,初期飽和度の影響を表すことが可能であること,拡散二重層理論に基づく平衡膨潤圧モデルを用いる場合には,層間距離の設定に留意する必要があることを述べた.透水試験に関しては,土粒子密度の変動が大きい試料の飽和度計算には,土粒子密度の設定精度が影響することを...

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Published in原子力バックエンド研究 Vol. 26; no. 1; pp. 24 - 35
Main Authors 渡邊, 保貴, 田中, 幸久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本原子力学会 バックエンド部会 01.06.2019
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ISSN1884-7579
1884-7579
DOI10.3327/jnuce.26.1_24

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Summary:本論文では,放射性廃棄物処分において放射性核種の移行を抑止するためなどの理由により用いられる締め固められたベントナイトの膨潤圧と透水係数を室内試験により測定する際,また数値解析に用いるためにモデル化する際の留意点を述べた.締め固めたベントナイトの膨潤圧に関しては,既提案の吸水膨潤時の応力・ひずみモデルにより,膨潤圧試験装置の軸方向剛性,供試体高さ,初期飽和度の影響を表すことが可能であること,拡散二重層理論に基づく平衡膨潤圧モデルを用いる場合には,層間距離の設定に留意する必要があることを述べた.透水試験に関しては,土粒子密度の変動が大きい試料の飽和度計算には,土粒子密度の設定精度が影響することを示すとともに,土粒子密度の設定が不要なB値の剛壁透水試験装置における測定方法を示した.また,乱さない試料に対して柔壁透水試験装置を用いる場合において,供試体密度とセル圧が過大とならないための装置上の新しい工夫の例を示した.
ISSN:1884-7579
1884-7579
DOI:10.3327/jnuce.26.1_24