鳥類骨折治療のちょっとしたコツ シアノアクリルレートを使った体重200gまでの鳥の骨折の治療法

体重200g程度の鳴禽類の脛足根骨の骨折において,骨折後3~4日以内であれば,牽引によって整復が可能である。十分に牽引しながら,シアノアクリルレートを羽毛に塗布することで骨折部位を固定する。塗布は遠位および近位の関節運動を阻害しない範囲に留める。エリザベスカラーを装着し,直ちに止まり木のあるケージに収容して自由運動をさせる。10日後にエリザベスカラーを除去する。この新しい手技は鳴禽類の大腿骨,中足骨,指骨の骨折時にも応用できる。体重が200gを超える鳥では骨髄内釘固定法,創外固定法が強度の点から推奨される。...

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Bibliographic Details
Published inJapanese journal of zoo and wildlife medicine = 日本野生動物医学会誌 Vol. 17; no. 2; pp. 43 - 47
Main Author 中津, 賞
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本野生動物医学会 29.06.2012
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ISSN1342-6133
2185-744X
DOI10.5686/jjzwm.17.43

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Summary:体重200g程度の鳴禽類の脛足根骨の骨折において,骨折後3~4日以内であれば,牽引によって整復が可能である。十分に牽引しながら,シアノアクリルレートを羽毛に塗布することで骨折部位を固定する。塗布は遠位および近位の関節運動を阻害しない範囲に留める。エリザベスカラーを装着し,直ちに止まり木のあるケージに収容して自由運動をさせる。10日後にエリザベスカラーを除去する。この新しい手技は鳴禽類の大腿骨,中足骨,指骨の骨折時にも応用できる。体重が200gを超える鳥では骨髄内釘固定法,創外固定法が強度の点から推奨される。
ISSN:1342-6133
2185-744X
DOI:10.5686/jjzwm.17.43