静岡県遠州灘海岸における海浜植生の成帯構造の成立要因

本研究では,静岡県遠州灘海岸における植生の成帯構造の成立要因と保全手法について検討した。その結果,汀線から内陸に向かって,優占種の特徴からコウボウムギ帯→ケカモノハシ帯→ビロードテンツキ帯→チガヤ帯と変化する成帯構造が確認された。成帯構造の各帯の分布は,汀線から内陸に向かって変化する波浪強度や堆砂深の傾度に対応していると考えられた。また分類木解析によって,成帯構造の成立には,最低でも100 m以上の海浜幅が必要であると予測された。一方,海浜幅が100 m以下になるとビロードテンツキ帯が欠落することがわかった。このことから,遠州灘海岸において海浜植生の成帯構造を保全するには,100 m以上の海浜...

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Published in日本緑化工学会誌 Vol. 34; no. 1; pp. 57 - 62
Main Authors 岡, 浩平, 吉崎, 真司, 小堀, 洋美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緑化工学会 2008
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Summary:本研究では,静岡県遠州灘海岸における植生の成帯構造の成立要因と保全手法について検討した。その結果,汀線から内陸に向かって,優占種の特徴からコウボウムギ帯→ケカモノハシ帯→ビロードテンツキ帯→チガヤ帯と変化する成帯構造が確認された。成帯構造の各帯の分布は,汀線から内陸に向かって変化する波浪強度や堆砂深の傾度に対応していると考えられた。また分類木解析によって,成帯構造の成立には,最低でも100 m以上の海浜幅が必要であると予測された。一方,海浜幅が100 m以下になるとビロードテンツキ帯が欠落することがわかった。このことから,遠州灘海岸において海浜植生の成帯構造を保全するには,100 m以上の海浜幅を確保することが重要であると考えられた。
ISSN:0916-7439
0916-7439
DOI:10.7211/jjsrt.34.57