一次性下肢静脈瘤の治療─本邦における静脈疾患に関するSurvey XVII

日本における一次性下肢静脈瘤の疫学的および静脈瘤治療の現状を明らかにするために,日本静脈学会会員の施設を対象として郵送法にてアンケート調査を行った.内容は,平成25 年1 月から12月までの1 年間の下肢静脈瘤の治療患者の内容と実施した治療法,治療方針について調査した.登録された下肢静脈瘤患者は193 施設,36,078 人43,958 肢であり,平成21 年の調査に比べ,患者総数と治療施設数は増加し,患者の高齢化を認め,女性に比べ男性での皮膚症状を有するC4‒6 の重症例の頻度が有意に高かった(p<0.01).伏在型・側枝型の治療において,ストリッピング術,高位結紮術は減少し,血管内レ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in静脈学 Vol. 27; no. 3; pp. 249 - 257
Main Authors 山田, 典一, 菅野, 範英, 西部, 俊哉, 佐戸川, 弘之, 岩田, 博英, 坂田, 雅宏, 孟, 真, 八巻, 隆, 岩井, 武尚, 日本静脈学会静脈疾患サーベイ委員会
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 2016
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0915-7395
2186-5523
DOI10.7134/phlebol.15-12

Cover

More Information
Summary:日本における一次性下肢静脈瘤の疫学的および静脈瘤治療の現状を明らかにするために,日本静脈学会会員の施設を対象として郵送法にてアンケート調査を行った.内容は,平成25 年1 月から12月までの1 年間の下肢静脈瘤の治療患者の内容と実施した治療法,治療方針について調査した.登録された下肢静脈瘤患者は193 施設,36,078 人43,958 肢であり,平成21 年の調査に比べ,患者総数と治療施設数は増加し,患者の高齢化を認め,女性に比べ男性での皮膚症状を有するC4‒6 の重症例の頻度が有意に高かった(p<0.01).伏在型・側枝型の治療において,ストリッピング術,高位結紮術は減少し,血管内レーザー焼灼術(EVLA)が51%と最も多く施行されていた.治療方針としてもEVLA を第一選択とする施設が44%と最も多く,麻酔はTumescent local anesthesia が主体で1 日入院が最多となっていた.下肢静脈瘤治療において従来標準的手術であったストリッピング術に代わり,EVLA が主体となってきていた.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.15-12