水素酸素同位体比測定用標準試料の準備とその保管方法についての検討

日本の地下水の水素酸素の安定同位体比を測定することを想定し,実験室において標準試料となりうる試料の調製方法とその保管方法について検討した。著者らが調査した日本の地下水ではδD は-85~-5‰,δ18O は-13~+3‰の範囲に存在しており,海洋深層水とミネラルウォーターを混合して上記の値をカバーする標準試料を調製できる。調製した標準試料はガラス容器に封入し,蒸発を防いで保管することが重要である。保管している標準試料の品質を確認するには, 重量の管理と異なる値を持つ複数の標準試料による相互比較が有効であり,重量にして3 %を超える変化が起きた場合には,保管している試料の値が変化している可能性が...

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Published in地下水学会誌 Vol. 57; no. 3; pp. 295 - 306
Main Authors 中田, 弘太郎, 長谷川, 琢磨, 吉岡, 麻里, 飯田, 高弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本地下水学会 2015
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Summary:日本の地下水の水素酸素の安定同位体比を測定することを想定し,実験室において標準試料となりうる試料の調製方法とその保管方法について検討した。著者らが調査した日本の地下水ではδD は-85~-5‰,δ18O は-13~+3‰の範囲に存在しており,海洋深層水とミネラルウォーターを混合して上記の値をカバーする標準試料を調製できる。調製した標準試料はガラス容器に封入し,蒸発を防いで保管することが重要である。保管している標準試料の品質を確認するには, 重量の管理と異なる値を持つ複数の標準試料による相互比較が有効であり,重量にして3 %を超える変化が起きた場合には,保管している試料の値が変化している可能性が強く疑われる。
ISSN:0913-4182
2185-5943
DOI:10.5917/jagh.57.295