10種類の草本植物の根系を含む土供試体のせん断特性に関する経年評価

植生工を想定して作製された10種類の草本植物の根系を含む土供試体の一面せん断試験を実施し強度定数(c・φ)を経年評価した。生育1年目と比較すると,生育2年目には全10種類で粘着力cの増加量⊿cが増大した。さらに,8種類ではせん断抵抗角φの増加量⊿φが前年よりも増大していた。以上より,根系のうち種子根・節根の存在が土供試体の粘着力cを増大させていた。さらに,側根の発達による緊縛力がせん断抵抗角φに作用していることを確認した。このとき,強度定数(⊿c・⊿φ)が経年的に増大するRCG・ChF・MFは,産業管理外来種であるTFの代替種を考える上で植生工に適用可能な草本植物として検討に値する。...

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Published in日本緑化工学会誌 Vol. 48; no. 1; pp. 33 - 38
Main Authors 宗岡, 寿美, 新田, 祥吾, 山崎, 由理, 木村, 賢人, 辻, 修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緑化工学会 31.08.2022
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Summary:植生工を想定して作製された10種類の草本植物の根系を含む土供試体の一面せん断試験を実施し強度定数(c・φ)を経年評価した。生育1年目と比較すると,生育2年目には全10種類で粘着力cの増加量⊿cが増大した。さらに,8種類ではせん断抵抗角φの増加量⊿φが前年よりも増大していた。以上より,根系のうち種子根・節根の存在が土供試体の粘着力cを増大させていた。さらに,側根の発達による緊縛力がせん断抵抗角φに作用していることを確認した。このとき,強度定数(⊿c・⊿φ)が経年的に増大するRCG・ChF・MFは,産業管理外来種であるTFの代替種を考える上で植生工に適用可能な草本植物として検討に値する。
ISSN:0916-7439
0916-7439
DOI:10.7211/jjsrt.48.33