木質バイオマス発電の技術改善によるコスト低減と炭素価格の評価

本論文では、①木質バイオマスを燃料とするバイオマス発電が持続的にコスト競争力を有するために必要となる炭素価格(Carbon Price; CP)の設定額と技術改善/技術革新の関係、②CPが導入された場合の設定額とバイオマス発電が一定のコスト競争力を有するために必要となる技術改善策と条件を技術シナリオに基づいて定量的に明らかにした。現状では木質バイオマス発電がコスト競争力を有するためには世界で最も高い北欧並みの100USD/t-CO2以上のCPを設定する必要がある。同発電コストに最も大きな影響を与える燃料・バイオマス自体のコストが現状の3割まで低減し、次世代の発電技術の1つである化学ループ法を用...

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Published inイノベーション・マネジメント Vol. 22; pp. 237 - 259
Main Authors 海邉, 健二, 大友, 順一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 法政大学イノベーション・マネジメント研究センター 31.03.2025
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ISSN1349-2233
2433-6971
DOI10.24677/riim.22.0_237

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Summary:本論文では、①木質バイオマスを燃料とするバイオマス発電が持続的にコスト競争力を有するために必要となる炭素価格(Carbon Price; CP)の設定額と技術改善/技術革新の関係、②CPが導入された場合の設定額とバイオマス発電が一定のコスト競争力を有するために必要となる技術改善策と条件を技術シナリオに基づいて定量的に明らかにした。現状では木質バイオマス発電がコスト競争力を有するためには世界で最も高い北欧並みの100USD/t-CO2以上のCPを設定する必要がある。同発電コストに最も大きな影響を与える燃料・バイオマス自体のコストが現状の3割まで低減し、次世代の発電技術の1つである化学ループ法を用いた場合には発生するCO2を利活用することでCPを導入することなく設定した発電コスト目標(27.3JPY/kWh。CO2分離・回収コストを含む)と同等のコスト競争力を有することを定量的に明らかにした。
ISSN:1349-2233
2433-6971
DOI:10.24677/riim.22.0_237