ピッチの直接フッ素化による固体状フッ化ピッチの合成

フッ化ピッチは水に対する接触角145度以上という優れた撥水性を有したフッ素系溶媒に可溶な新規のフッ素化カーボン材である. 工業化検討のため静置型反応器を用いて固体状フッ化ピッチの合成実験を行った.軟化点の異なる種々のピッチを用いて50℃~130℃の範囲においてフッ素ガスによる直接フッ素化反応を行った結果, ピッチの軟化点に依存した最適フッ素化温度が存在し, また高軟化点ピッチが原料ピッチとして最適であることが分かった.また最適反応温度においては, ピッチのカーボン骨格を分解することなく200%の重量増加を伴うフッ素化が可能であることが判明した....

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Published in化学工学論文集 Vol. 22; no. 4; pp. 728 - 734
Main Authors 前田, 俊之, 斎藤, 道雄, 藤本, 宏之, 平田, 雄志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 化学工学会 1996
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Summary:フッ化ピッチは水に対する接触角145度以上という優れた撥水性を有したフッ素系溶媒に可溶な新規のフッ素化カーボン材である. 工業化検討のため静置型反応器を用いて固体状フッ化ピッチの合成実験を行った.軟化点の異なる種々のピッチを用いて50℃~130℃の範囲においてフッ素ガスによる直接フッ素化反応を行った結果, ピッチの軟化点に依存した最適フッ素化温度が存在し, また高軟化点ピッチが原料ピッチとして最適であることが分かった.また最適反応温度においては, ピッチのカーボン骨格を分解することなく200%の重量増加を伴うフッ素化が可能であることが判明した.
ISSN:0386-216X
1349-9203
DOI:10.1252/kakoronbunshu.22.728