土砂災害に対する地域防災のステークホルダーの関係性について-日本と台湾の比較を通じて

本研究では,ステークホルダーの役割や関係の視点から日本と台湾の土砂災害に対する地域防災について分析した。日本では,地域防災活動の歴史が長く,組織と計画が中心に動いている。台湾では,地域住民が多様な行政担当,専門家と協働的に地域防災の活動を行っている。両者の課題解決のために,相互的に参考にできることがある。日本の行政・専門家と地域住民の間のコミュニケーションの強化について,特定の「人」を中心とした地域の防災体制を作ってきた台湾の手法は参考になる。他方で,防災活動の継続力が不足している台湾の問題については,地区防災計画のような地域防災を制度化する日本の在り方から学ぶ部分がある。...

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Published in自然災害科学 Vol. 42; no. 1; pp. 53 - 65
Main Authors 李, 旉昕, 竹之内, 健介, 巫仲明, 許瓊文, 矢守, 克也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本自然災害学会 31.05.2023
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Summary:本研究では,ステークホルダーの役割や関係の視点から日本と台湾の土砂災害に対する地域防災について分析した。日本では,地域防災活動の歴史が長く,組織と計画が中心に動いている。台湾では,地域住民が多様な行政担当,専門家と協働的に地域防災の活動を行っている。両者の課題解決のために,相互的に参考にできることがある。日本の行政・専門家と地域住民の間のコミュニケーションの強化について,特定の「人」を中心とした地域の防災体制を作ってきた台湾の手法は参考になる。他方で,防災活動の継続力が不足している台湾の問題については,地区防災計画のような地域防災を制度化する日本の在り方から学ぶ部分がある。
ISSN:0286-6021
2434-1037
DOI:10.24762/jndsj.42.1_53