地下水硝酸汚染研究における最新のトレンドと今後の方向性:熊本地域の事例を通して

熊本地域における地下水硝酸性窒素の由来ならびに帯水層中での硝酸イオンの振る舞いについて,最新の研究を通して明らかになってきた成果を解説する。特に,最新の同位体トレーサー法を駆使して解明されてきた,帯水層中における硝酸汚染の自然浄化機能として重要な脱窒現象の実態について解説する。合わせて,現在進行中の微生物培養実験,菌叢解析,不飽和帯土壌解析,地下水シミュレーションを応用した研究の進捗ついても紹介する。地域地下水における硝酸汚染への対策に臨むに当たり,多角面からの解析結果を統合してその動態を理解することが望ましく,こうした概念が将来の研究に浸透していくことが期待される。...

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Published in地下水学会誌 Vol. 57; no. 4; pp. 439 - 465
Main Authors 曾, 祥勇, 森, 康二, 田原, 康博, ホセイン, シャハダッド, 細野, 高啓, 林, 殷田, 森村, 茂, 松永, 緑, アルバレス, ケリー, 嶋田, 純
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本地下水学会 2015
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ISSN0913-4182
2185-5943
DOI10.5917/jagh.57.439

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Summary:熊本地域における地下水硝酸性窒素の由来ならびに帯水層中での硝酸イオンの振る舞いについて,最新の研究を通して明らかになってきた成果を解説する。特に,最新の同位体トレーサー法を駆使して解明されてきた,帯水層中における硝酸汚染の自然浄化機能として重要な脱窒現象の実態について解説する。合わせて,現在進行中の微生物培養実験,菌叢解析,不飽和帯土壌解析,地下水シミュレーションを応用した研究の進捗ついても紹介する。地域地下水における硝酸汚染への対策に臨むに当たり,多角面からの解析結果を統合してその動態を理解することが望ましく,こうした概念が将来の研究に浸透していくことが期待される。
ISSN:0913-4182
2185-5943
DOI:10.5917/jagh.57.439