AMLに対するCPX―351(ダウノルビシン・シタラビン内包リポソーム)

急性骨髄性白血病の標準寛解導入療法は7+3療法であり、シタラビンを7日間、ダウノルビシンを3日間投与するものである。強化療法では、シタラビン大量療法あるいは、寛解導入療法の用量を減らして繰り返す。ここ10年の間、この用量を巡って大規模第3相試験が行われてきた。シタラビンは極端に短い血清半減期であり、一方で、ara-CTPの細胞内濃度が殺細胞効果となり、高用量のシタラビンで高い細胞内ara-CTP濃度が得られることから、高用量シタラビンも若年者では用いられてきた。CPX-351はこの2つの薬剤を混ぜたリポソーム化製剤である。持続投与のシタラビンと、通常用いられる用量のダウノルビシンの併用療法をコ...

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Published inDrug Delivery System Vol. 32; no. 2; pp. 100 - 108
Main Author 小林, 幸夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Kawasaki 日本DDS学会 01.01.2017
Japan Science and Technology Agency
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ISSN0913-5006
1881-2732
DOI10.2745/dds.32.100

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Summary:急性骨髄性白血病の標準寛解導入療法は7+3療法であり、シタラビンを7日間、ダウノルビシンを3日間投与するものである。強化療法では、シタラビン大量療法あるいは、寛解導入療法の用量を減らして繰り返す。ここ10年の間、この用量を巡って大規模第3相試験が行われてきた。シタラビンは極端に短い血清半減期であり、一方で、ara-CTPの細胞内濃度が殺細胞効果となり、高用量のシタラビンで高い細胞内ara-CTP濃度が得られることから、高用量シタラビンも若年者では用いられてきた。CPX-351はこの2つの薬剤を混ぜたリポソーム化製剤である。持続投与のシタラビンと、通常用いられる用量のダウノルビシンの併用療法をコントロールアームとした比較試験で、プライマリーエンドポイントのOSでCPX-351が勝っていたことが二次性白血病で報告された。過去10年で標準療法を書き換えるかもしれない結果である。
Bibliography:ObjectType-Article-1
SourceType-Scholarly Journals-1
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ISSN:0913-5006
1881-2732
DOI:10.2745/dds.32.100