黄土高原の山腹緑化に生じた南北斜面間差と今後の課題

中国内陸部に広がる黄土高原の半乾燥地における斜面の緑化状況を,現地で撮影した38 地点の景観画像解析により検討した。南向きと北向きの斜面を同一条件で撮影した画像をもとに,斜面を5 つの植生タイプに分類した。斜面内の各植生タイプ占有割合は斜面方位によって異なり,北向き斜面では広葉樹が占める面積が高く,南向き斜面では裸地が占める割合が高かった。南北斜面と微地形単位を組み合わせると,より湿潤なサイトでは植生タイプに対する地形の影響がより明瞭であり,より乾燥したサイトでは不明瞭であった。南北斜面間差と微地形単位は黄土高原における植生発達の重要な規定要因であり,この方法はこれまで行われてきた緑化方法では...

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Published in日本緑化工学会誌 Vol. 39; no. 1; pp. 86 - 91
Main Authors 永松, 大, 山中, 典和, 候, 慶春, 杜, 盛, 福本, 愛弓, 張, 文輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緑化工学会 2013
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ISSN0916-7439
0916-7439
DOI10.7211/jjsrt.39.86

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Summary:中国内陸部に広がる黄土高原の半乾燥地における斜面の緑化状況を,現地で撮影した38 地点の景観画像解析により検討した。南向きと北向きの斜面を同一条件で撮影した画像をもとに,斜面を5 つの植生タイプに分類した。斜面内の各植生タイプ占有割合は斜面方位によって異なり,北向き斜面では広葉樹が占める面積が高く,南向き斜面では裸地が占める割合が高かった。南北斜面と微地形単位を組み合わせると,より湿潤なサイトでは植生タイプに対する地形の影響がより明瞭であり,より乾燥したサイトでは不明瞭であった。南北斜面間差と微地形単位は黄土高原における植生発達の重要な規定要因であり,この方法はこれまで行われてきた緑化方法では緑化困難な場所の抽出に有効と考えられた。
ISSN:0916-7439
0916-7439
DOI:10.7211/jjsrt.39.86