超臨界水中におけるポリエチレン分解挙動

回分式試験装置を用いて超臨界水中でのポリエチレン分解反応を行い, 分解反応機構および超臨界水の溶媒作用について検討した. ポリエチレンの分解は, C-C結合のランダムな開裂による低分子化反応であり, 反応初期の分解油はパラフィンとオレフィンが主体であるが, 反応の進行に伴ってオレフィンは重合し, 芳香族化合物を生成した. またNMRを用いた分解油の解析により, C-C結合開裂時に超臨界水から水素が添加されていることを把握した. さらに超臨界水によるコーキング抑制効果を反応速度解析により検討し, 熱分解反応に比較してコーキング抑制効果が高いことを確認した....

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Published in化学工学論文集 Vol. 26; no. 3; pp. 381 - 386
Main Authors 大空, 弘幸, 立花, 晋也, 今井, 哲也, 守谷, 武彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 化学工学会 2000
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Summary:回分式試験装置を用いて超臨界水中でのポリエチレン分解反応を行い, 分解反応機構および超臨界水の溶媒作用について検討した. ポリエチレンの分解は, C-C結合のランダムな開裂による低分子化反応であり, 反応初期の分解油はパラフィンとオレフィンが主体であるが, 反応の進行に伴ってオレフィンは重合し, 芳香族化合物を生成した. またNMRを用いた分解油の解析により, C-C結合開裂時に超臨界水から水素が添加されていることを把握した. さらに超臨界水によるコーキング抑制効果を反応速度解析により検討し, 熱分解反応に比較してコーキング抑制効果が高いことを確認した.
ISSN:0386-216X
1349-9203
DOI:10.1252/kakoronbunshu.26.381