痛み診療の現場における2014年1年間の有害事象について 日本ペインクリニック学会安全委員会・有害事象調査報告と課題

日本ペインクリニック学会安全委員会では,2009年より学会認定ペインクリニック専門医指定研修施設を対象に有害事象収集事業を開始した.本稿では2014年の1年間を対象とした第4回調査の結果について報告する.第4回調査では,343施設中173施設(50%)から回答が得られた.これまでの調査結果と同様に,有害事象のほとんどが鎮痛薬・鎮痛補助薬の副作用,または神経ブロック・インターベンショナル治療の合併症であった.鎮痛薬・鎮痛補助薬に関しては,非ステロイド性抗炎症薬,プレガバリンおよびトラマドール・アセトアミノフェン配合錠の副作用が多く報告された.神経ブロック・インターベンショナル治療に関しては,局所...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 25; no. 1; pp. 1 - 8
Main Authors 村川, 和重, 前田, 倫, 平川, 奈緒美, 横田, 美幸, 田中, 信彦, 關山, 裕詩, 斎藤, 繁, 益田, 律子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 25.02.2018
日本ペインクリニック学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1340-4903
1884-1791
DOI10.11321/jjspc.17-0031

Cover

Loading…
More Information
Summary:日本ペインクリニック学会安全委員会では,2009年より学会認定ペインクリニック専門医指定研修施設を対象に有害事象収集事業を開始した.本稿では2014年の1年間を対象とした第4回調査の結果について報告する.第4回調査では,343施設中173施設(50%)から回答が得られた.これまでの調査結果と同様に,有害事象のほとんどが鎮痛薬・鎮痛補助薬の副作用,または神経ブロック・インターベンショナル治療の合併症であった.鎮痛薬・鎮痛補助薬に関しては,非ステロイド性抗炎症薬,プレガバリンおよびトラマドール・アセトアミノフェン配合錠の副作用が多く報告された.神経ブロック・インターベンショナル治療に関しては,局所麻酔薬の血管内注入による意識消失や呼吸循環不全,肋間神経ブロックやトリガーポイント注射による気胸,化膿性脊椎炎や硬膜外膿瘍などの感染性合併症,頸部血腫や硬膜外血腫などの出血性合併症が報告された.これらの有害事象に関する情報を学会員間で共有し,痛み診療における危機管理意識を高める必要がある.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.17-0031