小学校プログラミング教育に関する研修内容の提案と教員の課題意識

文部科学省では,2020 年度から小学校プログラミング教育の全面実施に向けて,小学校プログラミング教育の手引や小学校を中心としたプログラミング教育ポータルを通して実践事例の発信を行ってきた.小学校学習指導要領では,教科などの目標を達成するためにプログラミングを活用することが求められると共に,これらの活動を通してプログラミング的思考を身に付けるという2つの目標が課されている.これらを実現するためには,プログラミングに関する一定の知識・技能が求められる.そこで,本研究は,プログラミングに関する知識・技能を向上させる教員研修の内容を提案することと,研修を通して教員が検討した指導内容を分類・整理するこ...

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Published in教育情報研究 Vol. 36; no. 2; pp. 29 - 42
Main Authors 山本, 利一, 軽部, 禎文, 竹澤, 則乃, 中村, 茉耶
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本教育情報学会 2020
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ISSN0912-6732
2432-1745
DOI10.20694/jjsei.36.2_29

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Summary:文部科学省では,2020 年度から小学校プログラミング教育の全面実施に向けて,小学校プログラミング教育の手引や小学校を中心としたプログラミング教育ポータルを通して実践事例の発信を行ってきた.小学校学習指導要領では,教科などの目標を達成するためにプログラミングを活用することが求められると共に,これらの活動を通してプログラミング的思考を身に付けるという2つの目標が課されている.これらを実現するためには,プログラミングに関する一定の知識・技能が求められる.そこで,本研究は,プログラミングに関する知識・技能を向上させる教員研修の内容を提案することと,研修を通して教員が検討した指導内容を分類・整理することとした.また,研修を通してプログラミング教育の課題を整理した.その結果,実機(ロボット)を活用した教員研修内容については,一定の効果が確認され,全ての教科などから指導事例を徴収することができた.また,小学校プログラミング教育を推進するためには,総合的な学習の時間において,プログラミングに関する基本的な知識と技能を系統的に学習すると共に,教科での学びをより確実なものにすることを目的にプログラミングを組み入れることが大切であることが示された.
ISSN:0912-6732
2432-1745
DOI:10.20694/jjsei.36.2_29