使用済燃料直接処分における放射性核種の瞬時放出率設定手法の構築

使用済燃料の深地層中への直接的な処分(直接処分)とは,使用済燃料を再処理せず処分容器に封入して処分する概念である.使用済燃料からの放射性核種の放出挙動はガラス固化体を地層処分した場合とは大きく異なる.本論文では,直接処分における核種の放出挙動を評価するためのパラメータのひとつである瞬時放出率(IRF)について,諸外国の最新の安全評価報告書を基に,核分裂生成ガス放出率(FGR)と相関関係がある元素に対する値の設定手法を構築した.FGRについては,わが国の使用済燃料に対して取得されたデータを収集したうえで,軽水炉燃料解析コードFEMAXI-7を使用して推奨値と最大値を算出した.また,算出したFGR...

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Published in原子力バックエンド研究 Vol. 27; no. 2; pp. 83 - 93
Main Authors 北村, 暁, 赤堀, 邦晃, 長田, 正信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本原子力学会 バックエンド部会 15.12.2020
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ISSN1884-7579
1884-7579
DOI10.3327/jnuce.27.2_83

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Summary:使用済燃料の深地層中への直接的な処分(直接処分)とは,使用済燃料を再処理せず処分容器に封入して処分する概念である.使用済燃料からの放射性核種の放出挙動はガラス固化体を地層処分した場合とは大きく異なる.本論文では,直接処分における核種の放出挙動を評価するためのパラメータのひとつである瞬時放出率(IRF)について,諸外国の最新の安全評価報告書を基に,核分裂生成ガス放出率(FGR)と相関関係がある元素に対する値の設定手法を構築した.FGRについては,わが国の使用済燃料に対して取得されたデータを収集したうえで,軽水炉燃料解析コードFEMAXI-7を使用して推奨値と最大値を算出した.また,算出したFGRや諸外国で取得されたIRF実測値を用いて,わが国の加圧水型原子炉(PWR)の使用済燃料におけるIRFの推奨値と最大値を推定し,諸外国の最新の安全評価報告書の設定値と比較検討した.
ISSN:1884-7579
1884-7579
DOI:10.3327/jnuce.27.2_83