誘電型加温におけるボーラスの最適化

誘電型加温装置を用いて患者の深部を加温する場合, 皮下脂肪が過剰に発熱することにより深部に充分な電磁エネルギーを供給することが困難である.このことは, 誘電型加温の加温特性そのものによることが最も大きい原因であるが, しかしそれ以外に実際的な加温において誘電型加温方法が潜在的にもっている深部加温能力を十分に出されていないことによることに起因しているとも考えられる.後者については, 加温条件を最適化することにより誘電型加温方法がもっている潜在的加温能力を充分に発揮させることが可能になると考えられる.そこで, 被加温体を楕円柱とし, それにbolus, overlay bolusを装着したときの発...

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Published in日本ハイパーサーミア学会誌 Vol. 13; no. 1; pp. 10 - 17
Main Authors 加藤, 博和, 兵藤, 一行, 赤坂, 展昌, 西村, 克之, 笠井, 俊文, 内田, 伸恵, 杉村, 和朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハイパーサーミア学会 01.03.1997
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Summary:誘電型加温装置を用いて患者の深部を加温する場合, 皮下脂肪が過剰に発熱することにより深部に充分な電磁エネルギーを供給することが困難である.このことは, 誘電型加温の加温特性そのものによることが最も大きい原因であるが, しかしそれ以外に実際的な加温において誘電型加温方法が潜在的にもっている深部加温能力を十分に出されていないことによることに起因しているとも考えられる.後者については, 加温条件を最適化することにより誘電型加温方法がもっている潜在的加温能力を充分に発揮させることが可能になると考えられる.そこで, 被加温体を楕円柱とし, それにbolus, overlay bolusを装着したときの発熱分布をコンピュータを用いて解析した.そして, 現在の使用条件における発熱分布と最適化した加温条件における発熱分布を比較した.その結果, bolus, overlay bolusの最適化を行うことにより, 深部に供給できる電磁エネルギーを現在より33%向上できることが示された.
ISSN:0911-2529
1881-9516
DOI:10.3191/thermalmedicine.13.10