三宅島における火山灰の表層土壌に対する酸緩衝力の発現機構と地図化

三宅島の森林地域に17区の調査地を設け,2000年噴火の火山灰と火山ガス(SO2ガス)による鉱質土壌表層の化学性への影響を調査し,地図化した。鉱質土壌のpH(H2O)は,2004年に4.0~4.4であったが,2006年には堆積火山灰が厚いほど上昇し4.3~4.8となった。堆積火山灰を通過する降水にはCa2+とSO42-イオンが多量に付加されたことから,酸性の降水が鉱質土壌に直接浸透する場合に比べ,高い酸緩衝力を有していることを室内実験で確認した。この緩衝力によって堆積火山灰の厚さが10 cm以上ある雄山山頂の東~北側では,SO2ガス濃度が0.2~0.5 ppmと高いにもかかわらず植生が回復して...

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Published in日本緑化工学会誌 Vol. 33; no. 1; pp. 21 - 26
Main Authors 戸田, 浩人, 亀谷, 行雄, 生原, 喜久雄, 花岡, 功大, 岸本, 和也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緑化工学会 2007
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ISSN0916-7439
0916-7439
DOI10.7211/jjsrt.33.21

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Summary:三宅島の森林地域に17区の調査地を設け,2000年噴火の火山灰と火山ガス(SO2ガス)による鉱質土壌表層の化学性への影響を調査し,地図化した。鉱質土壌のpH(H2O)は,2004年に4.0~4.4であったが,2006年には堆積火山灰が厚いほど上昇し4.3~4.8となった。堆積火山灰を通過する降水にはCa2+とSO42-イオンが多量に付加されたことから,酸性の降水が鉱質土壌に直接浸透する場合に比べ,高い酸緩衝力を有していることを室内実験で確認した。この緩衝力によって堆積火山灰の厚さが10 cm以上ある雄山山頂の東~北側では,SO2ガス濃度が0.2~0.5 ppmと高いにもかかわらず植生が回復していた。
ISSN:0916-7439
0916-7439
DOI:10.7211/jjsrt.33.21