多剤併用に関する在宅医療の患者家族の意向調査と患者状況要因研究

在宅医療の患者家族の多剤併用に関する意向をアンケート調査で明らかにした.回答者の 70%を占める処方薬の増減両方に同意の場合は,当該患者の通院率が低く,高い医療処置実施率で処方薬数への不満が少なかった.しかし全体として 20%は増薬を希望せず,看取り意思率が高く,特に精神神経領域の治療薬の服用中では定期薬数を多いとする傾向を認めた.反対に全体で 10%と少ないが現行処方に満足して減薬を希望せず,高い居宅率,低い看取り意思率の中で,漢方などの処方が多かった.また高い通院率,低い医療処置実施率に精神神経領域の治療薬が多いと増減両方に不同意になる傾向が存在した.処方見直しには家族にも配慮が必要である...

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Published in日本在宅医療連合学会誌 Vol. 2; no. 2; pp. 27 - 36
Main Authors 清水, 一郎, 福田, 俊一, 土器, 潔, 柳田, 毅, 岡本, 敬久, 濃沼, 政美, 赤瀬, 朋秀, 山口, 高秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本在宅医療連合学会 2021
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Summary:在宅医療の患者家族の多剤併用に関する意向をアンケート調査で明らかにした.回答者の 70%を占める処方薬の増減両方に同意の場合は,当該患者の通院率が低く,高い医療処置実施率で処方薬数への不満が少なかった.しかし全体として 20%は増薬を希望せず,看取り意思率が高く,特に精神神経領域の治療薬の服用中では定期薬数を多いとする傾向を認めた.反対に全体で 10%と少ないが現行処方に満足して減薬を希望せず,高い居宅率,低い看取り意思率の中で,漢方などの処方が多かった.また高い通院率,低い医療処置実施率に精神神経領域の治療薬が多いと増減両方に不同意になる傾向が存在した.処方見直しには家族にも配慮が必要である.
ISSN:2435-4007
DOI:10.34458/jahcm.2.2_27