横行結腸間膜裂孔ヘルニアの 1 例

今回われわれは,横行結腸間膜裂孔ヘルニアの症例を経験した.症例は 78 歳,女性.腹痛,嘔吐を主訴に受診した.イレウスの診断にて直ちにイレウス管を挿入し,保存的治療により経過観察を行った.第 9 病日にイレウス管造影を施行したところ,小腸に完全狭窄部位を認めたため,開腹手術を行った.横行結腸間膜に直径約 2 cm のヘルニア門を認め,約 20 cm の小腸が嵌入していた.以上より,横行結腸間膜裂孔ヘルニアの診断に至りイレウス解除術を施行した. 内ヘルニアは確定診断が遅れることで,大量の腸切除を必要とする場合が多い.内ヘルニアを疑った場合,本症も原因の 1 つとして念頭に置き早期の開腹手術を考慮...

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Published in日大医学雑誌 Vol. 67; no. 3; pp. 182 - 185
Main Authors 加納, 久雄, 久保井, 洋一, 川崎, 篤史, 吹野, 信忠, 三松, 謙司, 大井田, 尚継
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.06.2008
Subjects
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ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.67.182

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Summary:今回われわれは,横行結腸間膜裂孔ヘルニアの症例を経験した.症例は 78 歳,女性.腹痛,嘔吐を主訴に受診した.イレウスの診断にて直ちにイレウス管を挿入し,保存的治療により経過観察を行った.第 9 病日にイレウス管造影を施行したところ,小腸に完全狭窄部位を認めたため,開腹手術を行った.横行結腸間膜に直径約 2 cm のヘルニア門を認め,約 20 cm の小腸が嵌入していた.以上より,横行結腸間膜裂孔ヘルニアの診断に至りイレウス解除術を施行した. 内ヘルニアは確定診断が遅れることで,大量の腸切除を必要とする場合が多い.内ヘルニアを疑った場合,本症も原因の 1 つとして念頭に置き早期の開腹手術を考慮する必要があると考えられた.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.67.182