和歌山県の将来推計人口を活用した訪問看護サービス空白地域の推定
今後の人口減少により,在宅医療,特に訪問看護サービスを提供する施設が維持できなくなり,そのようなサービスを受けられない地域(空白地域)が拡大することが予想されている.本研究は,和歌山県における2040年の訪問看護サービスの空白地域を明らかにすることを目的とした.和歌山県の1 km2単位(メッシュ)の人口と訪問看護ステーション,病院・診療所の位置情報を用いた.人口規模ごとに全メッシュ数に対する施設の存在するメッシュ数の割合(立地確率)を算出した.2040年になっても,2020年の立地確率50%の人口規模が維持されると仮定した.空白地域は,訪問看護サービスを提供する施設から半径15 kmの円を描く...
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Published in | 医療情報学 Vol. 44; no. 1; pp. 13 - 20 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本医療情報学会
08.04.2024
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Summary: | 今後の人口減少により,在宅医療,特に訪問看護サービスを提供する施設が維持できなくなり,そのようなサービスを受けられない地域(空白地域)が拡大することが予想されている.本研究は,和歌山県における2040年の訪問看護サービスの空白地域を明らかにすることを目的とした.和歌山県の1 km2単位(メッシュ)の人口と訪問看護ステーション,病院・診療所の位置情報を用いた.人口規模ごとに全メッシュ数に対する施設の存在するメッシュ数の割合(立地確率)を算出した.2040年になっても,2020年の立地確率50%の人口規模が維持されると仮定した.空白地域は,訪問看護サービスを提供する施設から半径15 kmの円を描くことによって特定した.2040年の訪問看護サービスの空白地域は山間部にあり,居住者は1,980人で,高齢者は1,073人であった.サービスを継続して提供するためには,撤退が予想される診療所に対する公的支援の強化が望まれる. |
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ISSN: | 0289-8055 2188-8469 |
DOI: | 10.14948/jami.44.13 |