アカバネウイルスgenogroupⅠ単味不活化ワクチンの有用性に関する検討

アカバネ病予防には,アカバネウイルスgenogroupⅠ(GⅠ)及びgenogroupⅡ(GⅡ)の両者に対する免疫が重要である.GⅠはGⅡに対しても中和抗体を誘導するが,GⅠの単味ワクチンは未だ販売されていない.そこで,GⅠのKN-06株を抗原とする単味不活化ワクチン(KD-412)の牛での抗体応答について,KN-06株を含む混合不活化ワクチン(K3)とGⅡのTS-C2株を抗原とする単味生ワクチン(L)を対照として評価した.KD-412の2回接種により,GⅠ及びGⅡに対する中和抗体価はK3接種牛と同等に上昇し,1年間2倍以上を維持した.L接種牛では,KD-412追加接種によってGⅠに対する抗体...

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Published in日本獣医師会雑誌 Vol. 76; no. 12; pp. e323 - e328
Main Authors 浜崎, 日菜子, 田村, 豊, 加藤, 敏英, 上野, 泰, 末永, 清剛, 吉村, 昌也, 堀口, 華奈
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 2023
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma.76.e323

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Summary:アカバネ病予防には,アカバネウイルスgenogroupⅠ(GⅠ)及びgenogroupⅡ(GⅡ)の両者に対する免疫が重要である.GⅠはGⅡに対しても中和抗体を誘導するが,GⅠの単味ワクチンは未だ販売されていない.そこで,GⅠのKN-06株を抗原とする単味不活化ワクチン(KD-412)の牛での抗体応答について,KN-06株を含む混合不活化ワクチン(K3)とGⅡのTS-C2株を抗原とする単味生ワクチン(L)を対照として評価した.KD-412の2回接種により,GⅠ及びGⅡに対する中和抗体価はK3接種牛と同等に上昇し,1年間2倍以上を維持した.L接種牛では,KD-412追加接種によってGⅠに対する抗体価が全頭で上昇した.KD-412はGⅠ及びGⅡに対して同程度に免疫誘導が可能で,アカバネ病の予防に有効と考えられた.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.76.e323