異時発症の多発性四肢動脈瘤を合併した血管ベーチェット病の1治験例

8年間に4カ所の末梢動脈瘤を合併した血管ベーチェット病の1例を経験したので報告する. 症例は26歳男性. 18歳時に血管ベーチェット病と診断され, 右前脛骨動脈瘤に対し動脈瘤結紮術施行, 19歳時に右後脛骨動脈瘤に対し動脈瘤縫縮術, 左橈骨動脈瘤に対し瘤切除・端々吻合術を実施した後, 経過良好で瘤の再発を認めなかった. 平成17年9月, 右膝関節背側に拍動性腫瘤を自覚, 外来を受診した. 体表エコーにて膝窩動脈瘤と診断した. CT上, 最大横径は5cmの嚢状動脈瘤であった. 瘤切除, 大伏在静脈による置換術を, 端々吻合にて行った. 術後は合併症なく良好に経過した. 術前のベーチェット病は活動...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 15; no. 4; pp. 463 - 466
Main Authors 笠間, 啓一郎, 熊本, 吉一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2006
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Summary:8年間に4カ所の末梢動脈瘤を合併した血管ベーチェット病の1例を経験したので報告する. 症例は26歳男性. 18歳時に血管ベーチェット病と診断され, 右前脛骨動脈瘤に対し動脈瘤結紮術施行, 19歳時に右後脛骨動脈瘤に対し動脈瘤縫縮術, 左橈骨動脈瘤に対し瘤切除・端々吻合術を実施した後, 経過良好で瘤の再発を認めなかった. 平成17年9月, 右膝関節背側に拍動性腫瘤を自覚, 外来を受診した. 体表エコーにて膝窩動脈瘤と診断した. CT上, 最大横径は5cmの嚢状動脈瘤であった. 瘤切除, 大伏在静脈による置換術を, 端々吻合にて行った. 術後は合併症なく良好に経過した. 術前のベーチェット病は活動期にはなく, 術後病理結果においても炎症像は優位ではなかった.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.15.463