軟部肉腫に準じた治療で術後5年間無再発生存した進行悪性乳腺葉状腫瘍の1例

悪性葉状腫瘍は稀な疾患で治療に難渋することがある.今回われわれは経過中に遠隔転移をきたした悪性葉状腫瘍に対して,軟部肉腫治療に準じ集学的治療を行い再発手術後5年間無再発で経過した1例を経験したので,種々の診療ガイドラインの変遷などの考察を加え報告する.症例:48歳,女性.潰瘍形成を伴う巨大な乳腺腫瘤で受診,針生検で悪性葉状腫瘍と診断した.形成外科と合同で乳房と胸壁を一括に広範切除し,一期的に再建術を行った.5カ月後,腸腰筋に転移再発したため全身化学療法を行った.著明な腫瘍縮小が得られたため,整形外科と合同で腸骨筋と大腰筋の一部を一括して広範切除した.大腿神経が合併切除されたため後遺症が残ったが...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 85; no. 11; pp. 1520 - 1524
Main Authors 丹後, 泰久, 張, 弘富, 児玉, 泰一, 德田, 彩, 中村, 誠昌, 高尾, 浩司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2024
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.85.1520

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Summary:悪性葉状腫瘍は稀な疾患で治療に難渋することがある.今回われわれは経過中に遠隔転移をきたした悪性葉状腫瘍に対して,軟部肉腫治療に準じ集学的治療を行い再発手術後5年間無再発で経過した1例を経験したので,種々の診療ガイドラインの変遷などの考察を加え報告する.症例:48歳,女性.潰瘍形成を伴う巨大な乳腺腫瘤で受診,針生検で悪性葉状腫瘍と診断した.形成外科と合同で乳房と胸壁を一括に広範切除し,一期的に再建術を行った.5カ月後,腸腰筋に転移再発したため全身化学療法を行った.著明な腫瘍縮小が得られたため,整形外科と合同で腸骨筋と大腰筋の一部を一括して広範切除した.大腿神経が合併切除されたため後遺症が残ったが,整形外科と連携しリハビリテーションを行い,現在自立した生活ができている.再発手術後5年無再発で経過している.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.85.1520