浜松市における訪問歯科診療事業の評価に関する調査

浜松市歯科医師会は平成6年7月より訪問歯科診療事業を行っている。今回は事業評価のために, 保健婦による聞き取り調査を行い, 本事業による在宅要介護者の口腔機能の回復やその満足度について検討を行った。訪問歯科診療が終了した686件のうち, 455件の聞き取り調査が行われた。その中で85%が訪問歯科診療について良かったと感じ, 78%が今後も訪問歯科診療を希望すると回答した。このことから, 訪問歯科診療に対して多くの方が満足していることが伺える。また, 訪問歯科診療事業協力医にアンケート調査を行い, 本事業がかかりつけ歯科医としての機能強化につながっているのかについて得られた回答をもとに考察を加え...

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Published in老年歯科医学 Vol. 16; no. 1; pp. 70 - 75
Main Authors 平松, 英樹, 金原, 尚子, 天野, 真弓, 青山, 行彦, 森田, 一郎, 才川, 隆弘, 藤田, 欣宏, 松永, 隆士郎, 森田, 一彦, 石川, 昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年歯科医学会 31.07.2001
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Summary:浜松市歯科医師会は平成6年7月より訪問歯科診療事業を行っている。今回は事業評価のために, 保健婦による聞き取り調査を行い, 本事業による在宅要介護者の口腔機能の回復やその満足度について検討を行った。訪問歯科診療が終了した686件のうち, 455件の聞き取り調査が行われた。その中で85%が訪問歯科診療について良かったと感じ, 78%が今後も訪問歯科診療を希望すると回答した。このことから, 訪問歯科診療に対して多くの方が満足していることが伺える。また, 訪問歯科診療事業協力医にアンケート調査を行い, 本事業がかかりつけ歯科医としての機能強化につながっているのかについて得られた回答をもとに考察を加えた。265名の訪問歯科診療事業協力医に対してアンケート調査を行い, 98名の回答が得られた。協力医の中で76%が訪問歯科診療を行っていた。これまでかかりつけ歯科医として診療所の中だけで診療してきた患者が在宅要介護者となったとき, 訪問歯科診療の依頼に対し対応できる体制が整いつつあることを示すものであると思われる。今後の課題としては, 訪問歯科診療だけでは対応しきれない患者に対して, 搬送手段の確保について検討してゆく必要性が指摘された。
ISSN:0914-3866
1884-7323
DOI:10.11259/jsg1987.16.70