再手術時に外側側副靱帯損傷を認めた難治性上腕骨外側上顆炎の2例

難治性上腕骨外側上顆炎再手術時に外側側副靱帯損傷が判明した2例を報告する. 症例1は46歳男性,Nirshl法による初回手術後1年3か月で肘関節外側痛が再発した.その後疼痛が増悪したため2年2か月で再手術を施行した.手術所見では外側側副靱帯に連続性は認めるものの菲薄化し内反不安定性を認めたため,靱帯再建術を行った.再手術後4か月時には疼痛消失した. 症例2は45歳男性.同内容の手術後3週時に疼痛は軽減したが,その後増悪した.術後4か月時に再手術を施行した.外側上顆より剥離した外側側副靱帯が確認され,修復手術を施行した.手術では外側側副靱帯は術野外であり操作は加えないため手術時に損傷する可能性は...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 24; no. 2; pp. 305 - 308
Main Authors 石河, 利之, 田中, 祥継, 小川, 光, 仲西, 知憲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2017
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Summary:難治性上腕骨外側上顆炎再手術時に外側側副靱帯損傷が判明した2例を報告する. 症例1は46歳男性,Nirshl法による初回手術後1年3か月で肘関節外側痛が再発した.その後疼痛が増悪したため2年2か月で再手術を施行した.手術所見では外側側副靱帯に連続性は認めるものの菲薄化し内反不安定性を認めたため,靱帯再建術を行った.再手術後4か月時には疼痛消失した. 症例2は45歳男性.同内容の手術後3週時に疼痛は軽減したが,その後増悪した.術後4か月時に再手術を施行した.外側上顆より剥離した外側側副靱帯が確認され,修復手術を施行した.手術では外側側副靱帯は術野外であり操作は加えないため手術時に損傷する可能性は低い.術前および初回手術後に複数回のステロイド注射を受けたことによる靱帯組織変性に加え職業上繰り返す内反ストレスが外側側副靱帯損傷を招いた可能性が考えられた.難治性外側上顆炎の術前には診察における外側側副靱帯の評価に加えMRIが必要と思われた.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.24.2_305