当院 NSTが介入した下痢症例に関する検討~電解質異常に着目して
【目的】下痢はその程度により電解質異常を発症しやすい。そこで当院 NSTが介入した下痢症例について水・電解質異常を中心に検討した。【対象・方法】2012年4月 -2013年12月に NSTが介入した287例を対象とし、介入時に下痢であった症例を下痢群、非下痢症例を対照群とし、血清 Na、K、P、Mg濃度、体重や Htの推移、腎機能について検討した。【結果】下痢群は37例 (12.9 %)であり、対照群と比較して高 Na血症 (19.5 %)、低 K血症 (27.8 %)、低 P血症 (45.4 %)、低 Mg血症 (47.0 %)の発生頻度が高かった。下痢群の約半数例で体重と Htがともに低下...
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Published in | 日本静脈経腸栄養学会雑誌 Vol. 30; no. 6; pp. 1296 - 1299 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
2015
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Subjects | |
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ISSN | 2189-0161 2189-017X |
DOI | 10.11244/jspen.30.1296 |
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Summary: | 【目的】下痢はその程度により電解質異常を発症しやすい。そこで当院 NSTが介入した下痢症例について水・電解質異常を中心に検討した。【対象・方法】2012年4月 -2013年12月に NSTが介入した287例を対象とし、介入時に下痢であった症例を下痢群、非下痢症例を対照群とし、血清 Na、K、P、Mg濃度、体重や Htの推移、腎機能について検討した。【結果】下痢群は37例 (12.9 %)であり、対照群と比較して高 Na血症 (19.5 %)、低 K血症 (27.8 %)、低 P血症 (45.4 %)、低 Mg血症 (47.0 %)の発生頻度が高かった。下痢群の約半数例で体重と Htがともに低下し、腎機能も対照群に比較し低下傾向であった。【考察・結語】下痢症例では、電解質異常が多くみられた。一方、体重や Ht値は栄養状態や病態によって変動していた。下痢症例では、水・電解質異常に対して注意を払いながら栄養管理をする必要があり、NSTが介入することによりこれらの異常の改善が期待できる。 |
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ISSN: | 2189-0161 2189-017X |
DOI: | 10.11244/jspen.30.1296 |