少年野球選手における上腕骨内側上顆下端裂離骨折に対する外固定を用いた治療法の有用性

本研究の目的は,上腕骨内側上顆下端裂離骨折(以下:裂離骨折)を有する少年野球選手に対し,受傷初期に外固定を用いた治療を行った症例を評価し,その有用性を検討することである.裂離骨折と診断され,初期外固定による治療を行って,3か月以上経過観察が可能であった少年野球選手151例(平均年齢:11.2±1.2歳)を対象とした.初診時より3か月後にX線撮影を行い,骨癒合状態を確認し,完全復帰を許可した.平均経過観察期間は4.5±4.2か月であり,146例(96.7%)で骨癒合が得られた.野球への競技復帰は149例(98.7%)で可能となり,平均競技復帰期間は4.0±2.1か月であった.治療開始前の母床―裂...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 23; no. 2; pp. 350 - 353
Main Authors 古島, 弘三, 草野, 寛, 宮本, 梓, 清水, 雅樹, 岡里, 拓郎, 古賀, 龍二, 宇良田, 大悟, 山本, 譲, 伊藤, 恵康, 村山, 俊樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2016
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.23.2_350

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Summary:本研究の目的は,上腕骨内側上顆下端裂離骨折(以下:裂離骨折)を有する少年野球選手に対し,受傷初期に外固定を用いた治療を行った症例を評価し,その有用性を検討することである.裂離骨折と診断され,初期外固定による治療を行って,3か月以上経過観察が可能であった少年野球選手151例(平均年齢:11.2±1.2歳)を対象とした.初診時より3か月後にX線撮影を行い,骨癒合状態を確認し,完全復帰を許可した.平均経過観察期間は4.5±4.2か月であり,146例(96.7%)で骨癒合が得られた.野球への競技復帰は149例(98.7%)で可能となり,平均競技復帰期間は4.0±2.1か月であった.治療開始前の母床―裂離骨片間距離は骨癒合例で1.5±0.7mm,未癒合例で4.1±1.3mmであり,有意差を認めた(P<0.01).裂離骨折に対して高い骨癒合率を得られたことから,初期外固定による治療は有用と考えられた.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.23.2_350