肩挙上位での肘伸展運動の検討―投球動作との関連性

目的:肩挙上位での肘伸展筋力が投球動作に与える影響を考察することを目的とした. 材料および方法:メディカルチェック目的で来院したプロ野球選手(以下,非野球肘群)と投球時の肘関節痛を主訴に来院した野球肘患者(以下,野球肘群)を対象とした.ジャパンチャタヌガ社製KIM-COMを用いて肩挙上位の肘伸展筋力を測定し,最大肘伸展筋力と肘伸展-10°での肘伸展筋力を求め,それらの比(筋力比)を算出した.また最大筋力が出現する角度(以下,ピーク角度)を求めた. 結果:非野球肘群の筋力比は79.2±14.0%,野球肘群の筋力比は56.8±17.2%であった(P=0.001).非野球肘群のピーク角度は38.8±...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 24; no. 2; pp. 382 - 384
Main Authors 田村, 将希, 千葉, 慎一, 尾崎, 尚代, 鈴木, 昌, 大澤, 一誉, 西中, 直也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2017
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Summary:目的:肩挙上位での肘伸展筋力が投球動作に与える影響を考察することを目的とした. 材料および方法:メディカルチェック目的で来院したプロ野球選手(以下,非野球肘群)と投球時の肘関節痛を主訴に来院した野球肘患者(以下,野球肘群)を対象とした.ジャパンチャタヌガ社製KIM-COMを用いて肩挙上位の肘伸展筋力を測定し,最大肘伸展筋力と肘伸展-10°での肘伸展筋力を求め,それらの比(筋力比)を算出した.また最大筋力が出現する角度(以下,ピーク角度)を求めた. 結果:非野球肘群の筋力比は79.2±14.0%,野球肘群の筋力比は56.8±17.2%であった(P=0.001).非野球肘群のピーク角度は38.8±18.6°,野球肘群のピーク角度は57.0±11.8°であった(P=0.006). 考察:肩挙上位での肘伸展筋力を安定して発揮する身体機能を整えることで,外反ストレスの軽減につながると考察する.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.24.2_382