外傷性肘関節靭帯損傷に対する手術成績

肘関節靭帯損傷を疑う外傷に対し,MRIで完全断裂を認めるか,ストレス撮影にて明らかな不安定性を認めるものを靭帯修復の手術適応としている.外傷性肘関節靭帯損傷に対しアンカーを用いた靭帯修復が行われ術後3か月以上経過観察が可能であった33例33肘のうち,骨接合を必要とする骨折を合併したものを除外した17例17肘(男8女9例 平均38.8歳)の成績を調査した.受傷部位はMCL単独5例,LCL単独6例,MCLとLCL両側が6例であった.最終診察時,疼痛のないものが16例で,スポーツ活動中に軽い痛みを認めるものが1例であった.平均可動域は伸展-1.1度,屈曲135.6度,回内87.8度,回外88.1度で...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 26; no. 2; pp. 114 - 116
Main Authors 石井, 克志, 坂野, 裕昭, 仲, 拓磨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2019
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.26.2_114

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Summary:肘関節靭帯損傷を疑う外傷に対し,MRIで完全断裂を認めるか,ストレス撮影にて明らかな不安定性を認めるものを靭帯修復の手術適応としている.外傷性肘関節靭帯損傷に対しアンカーを用いた靭帯修復が行われ術後3か月以上経過観察が可能であった33例33肘のうち,骨接合を必要とする骨折を合併したものを除外した17例17肘(男8女9例 平均38.8歳)の成績を調査した.受傷部位はMCL単独5例,LCL単独6例,MCLとLCL両側が6例であった.最終診察時,疼痛のないものが16例で,スポーツ活動中に軽い痛みを認めるものが1例であった.平均可動域は伸展-1.1度,屈曲135.6度,回内87.8度,回外88.1度であり,平均QDASHは3.6点であった.合併症は1例で前腕外側に軽い痺れを認め,1例でアンカーの緩みを認めた.骨性因子の破綻のない外傷性肘関節靭帯損傷に対するアンカーを用いた手術成績は良好であった.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.26.2_114