小児先天性囊胞性肺疾患の9手術例

今回我々は2006年から2015年の10年間に当科で手術を行った新生児・乳児を含む先天性囊胞性肺疾患小児例9例を検討した.疾患の内訳はCCAMは6例,肺リンパ管腫は1例,肺分画症は2例であった.男児が6例,女児が3例であった.患児の年齢は生後28日は1例,9ヵ月は1例,1歳は2例,3歳は1例,4歳は2例,5歳は1例,7歳は1例であった.このうち緊急手術は2例で,ともに囊胞の巨大化による縱隔偏位を認め,呼吸促迫で来院した.病変の局在は右上葉は1例,右下葉は3例,左下葉は5例であった.全例で肺葉切除を行い,開胸手術は5例,胸腔鏡下手術は4例であった.平均手術時間は3時間32分で,全例で術中輸血は行...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 33; no. 1; pp. 21 - 26
Main Authors 木村, 賢司, 奥村, 典仁, 松岡, 智章, 中島, 尊, 高橋, 鮎子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.01.2019
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Summary:今回我々は2006年から2015年の10年間に当科で手術を行った新生児・乳児を含む先天性囊胞性肺疾患小児例9例を検討した.疾患の内訳はCCAMは6例,肺リンパ管腫は1例,肺分画症は2例であった.男児が6例,女児が3例であった.患児の年齢は生後28日は1例,9ヵ月は1例,1歳は2例,3歳は1例,4歳は2例,5歳は1例,7歳は1例であった.このうち緊急手術は2例で,ともに囊胞の巨大化による縱隔偏位を認め,呼吸促迫で来院した.病変の局在は右上葉は1例,右下葉は3例,左下葉は5例であった.全例で肺葉切除を行い,開胸手術は5例,胸腔鏡下手術は4例であった.平均手術時間は3時間32分で,全例で術中輸血は行わなかった.平均術後在院日数は9.7日であった.重篤な合併症はなく,全例術後の発育には問題なかった.手術時期に関しては,残存肺の成長を促す目的と胸腔鏡下で低侵襲の手術を行うために,待機できれば2歳前後に手術を行うのが望ましいと考えた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.33.21