5 つの運動機能領域から見た健常児の歩行特性 3~10歳児と成人との比較

【目的】本研究の目的は,5 つの運動機能領域の側面から,3 ~10 歳の児の歩行能力の特徴を明らかにすることであった。【方法】3 ~10 歳の定型発達児76 名と14 名の若年成人を対象とし,小児群は2 歳毎に4 群に割りあてた。対象者は,6 m の直線歩行路を快適な速度で歩くように指示された。三次元動作解析システムにて,歩幅,歩隔,ステップ速度,ステップ時間,支持脚時間,および遊脚時間を算出した。変動係数とSymmetry Index も算出した。これら歩行変数を5 つの機能領域に分類した(歩調,時間因子,左右対称性,変動性,および安定性)。各変数を年代間で比較した。【結果】歩調,時間,およ...

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Published in理学療法学 Vol. 47; no. 6; pp. 560 - 567
Main Authors 萬井, 太規, 宮城島, 沙織, 小塚, 直樹, 種田, 健二, 井上, 貴博, 佐藤, 優衣, 武田, 賢太, 浅賀, 忠義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 2020
日本理学療法士協会
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Summary:【目的】本研究の目的は,5 つの運動機能領域の側面から,3 ~10 歳の児の歩行能力の特徴を明らかにすることであった。【方法】3 ~10 歳の定型発達児76 名と14 名の若年成人を対象とし,小児群は2 歳毎に4 群に割りあてた。対象者は,6 m の直線歩行路を快適な速度で歩くように指示された。三次元動作解析システムにて,歩幅,歩隔,ステップ速度,ステップ時間,支持脚時間,および遊脚時間を算出した。変動係数とSymmetry Index も算出した。これら歩行変数を5 つの機能領域に分類した(歩調,時間因子,左右対称性,変動性,および安定性)。各変数を年代間で比較した。【結果】歩調,時間,および左右対称性は,7 歳から成人と有意差を認めなかった。一方,変動性と安定性は,全小児群と成人群に有意差を認めた。【結論】成人の値と同等の値に到達する年齢は変数により異なり,特に歩行の変動性や安定性の領域は発達が遅い。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.11786