カルシウムと鉄の所要量充足率別にみた食物摂取パターンについて
女子短大生178名を, 所要量の80%以上を摂取しているか否かによって, カルシウム充足・鉄充足群, カルシウム不足・鉄充足群, カルシウム充足・鉄不足群, カルシウム不足・鉄不足群に分け, 摂取栄養量, 食品群別摂取量および料理の分類について解析を行い, 対象群間の食物摂取パターンの比較検討を試みた。その結果, 以下の知見を得た。 1) 摂取栄養量, 食品群別摂取量および料理数において, 鉄充足群 (Ca充足・Fe充足, Ca不足・Fe充足群) と, 鉄不足群 (Ca充足・Fe不足, Ca不足・Fe不足群) の間に差があり, 鉄充足群がいずれの場合も勝っていた。 2) 鉄不足群は, エネルギ...
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Published in | 栄養学雑誌 Vol. 46; no. 2; pp. 85 - 94 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
1988
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Subjects | |
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ISSN | 0021-5147 1883-7921 |
DOI | 10.5264/eiyogakuzashi.46.85 |
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Summary: | 女子短大生178名を, 所要量の80%以上を摂取しているか否かによって, カルシウム充足・鉄充足群, カルシウム不足・鉄充足群, カルシウム充足・鉄不足群, カルシウム不足・鉄不足群に分け, 摂取栄養量, 食品群別摂取量および料理の分類について解析を行い, 対象群間の食物摂取パターンの比較検討を試みた。その結果, 以下の知見を得た。 1) 摂取栄養量, 食品群別摂取量および料理数において, 鉄充足群 (Ca充足・Fe充足, Ca不足・Fe充足群) と, 鉄不足群 (Ca充足・Fe不足, Ca不足・Fe不足群) の間に差があり, 鉄充足群がいずれの場合も勝っていた。 2) 鉄不足群は, エネルギー, たん白質の充足率は約80~90%であるが, 脂質は95~130%であった。 3) 鉄不足群は, 摂取エネルギーが少ないだけでなく, 単位エネルギー当たりの鉄の摂取密度が低い。動物性食品からのたん白質と鉄の摂取を増やす指導が大事である。 4) カルシウム: リンの摂取比率は, カルシウム充足群では1:1.7~1.8, 不足群では1:2.5~3.0で, 不足群でリン過剰摂取が著しい。リンと加工食品の摂取量との間に有意の関係は見出せなかった。 |
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ISSN: | 0021-5147 1883-7921 |
DOI: | 10.5264/eiyogakuzashi.46.85 |