全天空画像から抽出した雲情報を用いたLightGBM による日射量予測精度の向上と考察

本研究は、天候や全天空画像から抽出した雲の太陽からの方向や厚さなどの状態分類を行なった点が特徴であり、この情報が高精度な機械学習による日射量予測に有効であることを報告する。この日射量予測は、1日の総日射量を予測するより、1 時間単位や分単位といった短時間ほど難しくなる。そして短時間日射量予測においては、太陽と雲を捉える全天空画像用いた研究が行われているが、単純に画像を投入して深層学習させただけでは、雲の移動距離の大きな一部雲条件下において、予測精度が大きく低下することが分かっている。そこで、日射量や晴天時の日射量推定値、全天空画像から抽出した雲の太陽からの距離や方向などの位置情報を基にして、L...

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Published in日本情報ディレクトリ学会誌 Vol. 21; no. 1; pp. 70 - 77
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本情報ディレクトリ学会 31.03.2023
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Summary:本研究は、天候や全天空画像から抽出した雲の太陽からの方向や厚さなどの状態分類を行なった点が特徴であり、この情報が高精度な機械学習による日射量予測に有効であることを報告する。この日射量予測は、1日の総日射量を予測するより、1 時間単位や分単位といった短時間ほど難しくなる。そして短時間日射量予測においては、太陽と雲を捉える全天空画像用いた研究が行われているが、単純に画像を投入して深層学習させただけでは、雲の移動距離の大きな一部雲条件下において、予測精度が大きく低下することが分かっている。そこで、日射量や晴天時の日射量推定値、全天空画像から抽出した雲の太陽からの距離や方向などの位置情報を基にして、LightGBM を用いて予測を行い、その有効性を確認した。その結果、一部曇りの条件下で15 分後の予測精度が、日射量のみで142[W/m2]、日射量と晴天時の日射量推定値で135[W/m2]、日射量と晴天時の日射量推定値と雲情報で129[W/m2]と精度が向上する事が確認された。総じて晴天時の日射量の推定値と太陽からの距離と方角を考慮した雲情報が有効である事が示された。
ISSN:1882-9252
2436-5629
DOI:10.50987/jsod.21.1_70