スギ活性炭の賦活化収率が及ぼす電気二重層キャパシタ性能への影響

スギを原料として賦活条件を変えることで収率の異なる活性炭を作製し,それを用いて電気二重層キャパシタを製造した。その結果,スギを原料とした活性炭の比表面積,ミクロ孔容積およびメソ孔容積は,収率が低くなるに従って大きくなる傾向があり,それぞれの決定係数は高い値を示した。また,ミクロ孔分布およびメソ孔分布は,収率の違いにより,その分布のピーク値が大きい細孔側にシフトすることが分かった。一方,0.6~0.7 nm前後のミクロ孔が静電容量の初期値を高める可能性を有することが分かった。また,耐久性試験の結果,市販活性炭と比べて静電容量は同等,内部抵抗は低い性能を有することが判明した。...

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Published in木材学会誌 Vol. 71; no. 2; pp. 78 - 87
Main Authors 廣瀬, 孝, 遠田, 幸生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本木材学会 25.04.2025
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ISSN0021-4795
1880-7577
DOI10.2488/jwrs.71.78

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Summary:スギを原料として賦活条件を変えることで収率の異なる活性炭を作製し,それを用いて電気二重層キャパシタを製造した。その結果,スギを原料とした活性炭の比表面積,ミクロ孔容積およびメソ孔容積は,収率が低くなるに従って大きくなる傾向があり,それぞれの決定係数は高い値を示した。また,ミクロ孔分布およびメソ孔分布は,収率の違いにより,その分布のピーク値が大きい細孔側にシフトすることが分かった。一方,0.6~0.7 nm前後のミクロ孔が静電容量の初期値を高める可能性を有することが分かった。また,耐久性試験の結果,市販活性炭と比べて静電容量は同等,内部抵抗は低い性能を有することが判明した。
ISSN:0021-4795
1880-7577
DOI:10.2488/jwrs.71.78