介護保険施設における栄養ケア・マネジメントのあり方と「低栄養リスク」「誤嚥性肺炎による入院」「経口維持の看取り」「在宅復帰」との関連:2019年度全国施設横断調査から
目的:本研究は、介護保険施設において、2018年度介護報酬改定後の栄養ケア・マネジメント(以下、NCM)のあり方とアウトカム(低栄養、誤嚥性肺炎による入院、施設内看取り及び在宅復帰)の関連について、横断調査から検討した。方法:特養1,928施設、老健1,126施設を対象とし、無記名調査票を郵送した。入所者100名あたりの過去1 か月間の「低栄養の中・高リスク者数」、「誤嚥性肺炎による入院者数」、特養での過去1年間の「経口維持の施設内看取り者数」及び老健での過去1 か月間の「在宅復帰者数」を結果変数とし、「低値群」(中央値以下)vs「高値群」(中央値より大きい)に関連するNCM 関連要因を予測変...
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Published in | 日本健康・栄養システム学会誌 Vol. 20; no. 2; pp. 10 - 22 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本健康・栄養システム学会
2020
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ISSN | 2432-3438 2758-3309 |
DOI | 10.57440/jncm.20.2_10 |
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Summary: | 目的:本研究は、介護保険施設において、2018年度介護報酬改定後の栄養ケア・マネジメント(以下、NCM)のあり方とアウトカム(低栄養、誤嚥性肺炎による入院、施設内看取り及び在宅復帰)の関連について、横断調査から検討した。方法:特養1,928施設、老健1,126施設を対象とし、無記名調査票を郵送した。入所者100名あたりの過去1 か月間の「低栄養の中・高リスク者数」、「誤嚥性肺炎による入院者数」、特養での過去1年間の「経口維持の施設内看取り者数」及び老健での過去1 か月間の「在宅復帰者数」を結果変数とし、「低値群」(中央値以下)vs「高値群」(中央値より大きい)に関連するNCM 関連要因を予測変数、入所者数及び平均要介護度を調整変数とした多変量ロジスティック回帰により分析した。結果:解析対象は特養283施設、老健181施設であった。「低栄養の中・高リスク者の低値群」と関連するNCM関連因子は、「経口維持加算(Ⅰ)算定あり」、「ミールラウンド実施あり」、「文書による栄養情報連携あり」、「入所前及び退所後の医療機関等との栄養情報連携あり」であった。同様に、各アウトカムとNCM プロセスが関連していた。結論:介護保険施設において、NCM 関連加算の算定、ミールラウンドを始めとした多職種による経口維持の取組み、栄養情報連携の推進等によるNCM の取り組みが良好なアウトカムと関連することが示唆された。キーワード:介護保険施設、栄養ケア・マネジメント、低栄養、経口維持、在宅復帰 |
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ISSN: | 2432-3438 2758-3309 |
DOI: | 10.57440/jncm.20.2_10 |