胆道感染症における点滴静注用Minocyclineの臨床的検討

(1) 胆道感染症14例に点滴静注用Minocyclineを使用し有用性を検討した。臨床治療効果は, 著効2例, 有効8例, 無効4例であり, 著効有効あわせて有効率71%であった。副作用としては, 一過性にGOT, GPTが上昇した1例だけで, 投与前に肝機能障害のあった症例においても増悪傾向は認められなかった。 (2) 臨床分離株382株を用い, 200μg 1濃度デスク法にて, TC系抗生剤, MINO, TC, DOXYの3剤の感受性を比較した結果, E. coli, Klebsiella, Streptococcus faecalis, Serratia, Proteusにおいては,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inCHEMOTHERAPY Vol. 28; no. 3; pp. 392 - 397
Main Authors 川口, 英弘, 尾崎, 京子, 高野, 征雄, 阿部, 要一, 塚田, 一博, 神谷, 岳太郎, 武藤, 輝一, 村山, 裕一, 吉田, 奎介, 本間, 憲治, 屋形, 稔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1980
Online AccessGet full text
ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.28.392

Cover

Loading…
More Information
Summary:(1) 胆道感染症14例に点滴静注用Minocyclineを使用し有用性を検討した。臨床治療効果は, 著効2例, 有効8例, 無効4例であり, 著効有効あわせて有効率71%であった。副作用としては, 一過性にGOT, GPTが上昇した1例だけで, 投与前に肝機能障害のあった症例においても増悪傾向は認められなかった。 (2) 臨床分離株382株を用い, 200μg 1濃度デスク法にて, TC系抗生剤, MINO, TC, DOXYの3剤の感受性を比較した結果, E. coli, Klebsiella, Streptococcus faecalis, Serratia, Proteusにおいては, MINOが他2剤より感受性が優れているという結果を得た。 (3) 胆道閉塞時ならびに閉塞解除時における本剤の胆汁内移行を検討した。胆道閉塞時に, 本剤100mgおよび200mgを5%ブドウ糖液500mlに溶解し点滴静注し, PTCにて採取した胆汁中MINO濃度は, 0.32μg/mlおよび1.2μg/mlと低値を示し, 閉塞解除直後は, 0.74μg/mlおよび1.93μg/mlと若干の上昇傾向を示した。閉塞解除後3日目では, 本剤200mgの投与で, 最高胆汁中MINO濃度は7.8μg/mlであり, 3μg/ml以上の値が4時間以上続いた。また, 点滴静注開始後7時間30分までの胆汁中回収率は, 0.32%であった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.28.392