デジタルバフ研磨装置の開発と研磨技術教育への活用

• Published in: 砥粒加工学会誌 Vol. 66; no. 1; pp. 28 - 35
• Main Authors: 松澤, 正明, 矢内, 俊一, 松井, 康明, 鳥塚, 史郎
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 砥粒加工学会 01.01.2022
• ISSN: 0914-2703; 1880-7534
• DOI: 10.11420/jsat.66.28

手作業が主体のバフ研磨技術は見よう見まねで技術教育が行われてきた．この技術教育の効率化・短期間化を目的として，バフ研磨技術のデジタル化・見える化を試み，バフ研磨装置に3分力センサ-およびトルクセンサ-が取り付けられたデジタルバフ研磨装置を設計・製作した．3分力センサ-の取り付け位置は2分割された軸受台の左右中心位置とし，トルクセンサ-は主軸に直結した．被研磨物に3分力センサ-を直接取り付けて計測された研磨力とデジタルバフ研磨装置で計測された力は，校正式で精度よく結び付けることができた．デジタルバフ研磨装置の計測で得られるのは間接的な研磨力であるが，直接計測に相当する十分な高い精度が得られた．このデジタルバフ研磨装置を用いて，バフ研磨未経験者3名に対し，熟練者の研磨力波形と比較させながら，研磨技術教育を行った． 5日間の研磨実習によって，熟練者の研磨力波形に近い波形で研磨できるようになり，技術の向上が確認できた．研磨技術のデジタル化・見える化は，従来の見よう見まねによる技術教育を効率化できる可能性を示せたと考えている． また，本デジタルバフ研磨装置は有用な教育ツ-ルになると考えられる．