高齢者における体幹加速度から得られる歩行指標と転倒との関連性 大規模データによる検討

【目的】高齢者における歩行時の体幹加速度から得られる指標に対し,指標間の比較,年代間の比較,転倒との関係性について明らかにすることとした。【方法】地域在住高齢者989名(平均年齢:73.6歳)を対象に,歩行計測ならびに転倒歴を含む基本属性に関する聴取を行った。歩行計測には3軸加速度センサを用い,歩行時の体幹加速度から自己相関係数(auto correlation:以下,AC)とharmonic ratio(以下,HR)を算出した。【結果】主成分分析よりACとHRは各々独立した分類がなされ,AC,HR ともに80歳以上での低下が顕著であり(p < 0.05)。どの方向のHRも転倒と関連して...

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Published in理学療法学 Vol. 43; no. 2; pp. 75 - 81
Main Authors 土井, 剛彦, 牧迫, 飛雄馬, 堤本, 広大, 中窪, 翔, 鈴木, 隆雄, 島田, 裕之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.04.2016
日本理学療法士協会
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Summary:【目的】高齢者における歩行時の体幹加速度から得られる指標に対し,指標間の比較,年代間の比較,転倒との関係性について明らかにすることとした。【方法】地域在住高齢者989名(平均年齢:73.6歳)を対象に,歩行計測ならびに転倒歴を含む基本属性に関する聴取を行った。歩行計測には3軸加速度センサを用い,歩行時の体幹加速度から自己相関係数(auto correlation:以下,AC)とharmonic ratio(以下,HR)を算出した。【結果】主成分分析よりACとHRは各々独立した分類がなされ,AC,HR ともに80歳以上での低下が顕著であり(p < 0.05)。どの方向のHRも転倒と関連していたが,ACにおいては垂直方向のみ関連した(p < 0.05)。【結論】高齢者の歩行時の体幹加速度から得られるACとHRは異なる評価指標として活用できる可能性が示唆され,いずれも加齢および転倒と関連する評価指標としての有用性が示された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.11094