小児上腕骨内側上顆骨折に対する手術治療
上腕骨内側上顆骨折のWatson-Jones分類特にtype I,IIに対して,保存療法を勧める報告がある一方,偽関節や肘関節不安定性への懸念から手術療法を勧める報告もあり,治療方針に明確な基準はない.私たちは健側比2mm以上の転位例や投球に起因する例にはtension band wiring法を行っている.対象は15歳以下の肘関節周辺骨折140例中9例(6.4%)で,type I 5例,type II 2例,type III 1例,type IV 1例であった.術後約3週間外固定を行った.5~16週(平均9.6週)で抜釘した.通院自己中断し経過不明な1例を除き全例で骨癒合が得られ,骨端線早期...
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Published in | 日本肘関節学会雑誌 Vol. 25; no. 2; pp. 21 - 23 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本肘関節学会
2018
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1349-7324 2434-2262 |
DOI | 10.24810/jelbow.25.2_21 |
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Summary: | 上腕骨内側上顆骨折のWatson-Jones分類特にtype I,IIに対して,保存療法を勧める報告がある一方,偽関節や肘関節不安定性への懸念から手術療法を勧める報告もあり,治療方針に明確な基準はない.私たちは健側比2mm以上の転位例や投球に起因する例にはtension band wiring法を行っている.対象は15歳以下の肘関節周辺骨折140例中9例(6.4%)で,type I 5例,type II 2例,type III 1例,type IV 1例であった.術後約3週間外固定を行った.5~16週(平均9.6週)で抜釘した.通院自己中断し経過不明な1例を除き全例で骨癒合が得られ,骨端線早期閉鎖はなかった.最終平均肘関節可動域は伸展5°,屈曲144°であり,尺骨神経麻痺,肘関節不安定性などの合併症はなかった.本法は上腕骨内側上顆骨折に対して有用な治療法と考えられた. |
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ISSN: | 1349-7324 2434-2262 |
DOI: | 10.24810/jelbow.25.2_21 |