肘関節脱臼を伴った小児上腕骨外側顆骨折2例の治療経験

肘関節脱臼を伴った小児上腕骨外側顆骨折を2例経験したので報告する.症例1:7歳男児.転倒受傷し,同日右上腕骨顆上骨折として紹介され,受傷翌日に観血的整復固定術を行った.術後3週から可動域訓練を開始し,術後3か月で抜釘した.術後3年の最終経過観察時,肘関節可動域0~130度,外反10度であった.症例2:9歳男児.木登り中に転落し受傷.受傷3日後に左肘関節脱臼として紹介され,受傷5日目に観血的整復固定術を行った.術後3週から可動域訓練を開始し,術後6か月で抜釘した.術後9か月で肘関節可動域は0~130度である.2例とも肘関節後内側脱臼にMilchⅡ型の上腕骨外側顆骨折を伴っていた.肘関節脱臼を伴う...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 29; no. 2; pp. 30 - 33
Main Authors 長谷川, 和重, 林, 耕宇, 藍澤, 一穂, 宮坂, 芳典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2022
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.29.2_30

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Summary:肘関節脱臼を伴った小児上腕骨外側顆骨折を2例経験したので報告する.症例1:7歳男児.転倒受傷し,同日右上腕骨顆上骨折として紹介され,受傷翌日に観血的整復固定術を行った.術後3週から可動域訓練を開始し,術後3か月で抜釘した.術後3年の最終経過観察時,肘関節可動域0~130度,外反10度であった.症例2:9歳男児.木登り中に転落し受傷.受傷3日後に左肘関節脱臼として紹介され,受傷5日目に観血的整復固定術を行った.術後3週から可動域訓練を開始し,術後6か月で抜釘した.術後9か月で肘関節可動域は0~130度である.2例とも肘関節後内側脱臼にMilchⅡ型の上腕骨外側顆骨折を伴っていた.肘関節脱臼を伴う小児上腕骨外側顆骨折は比較的年長児に多い.単純X線だけではなくMRIや関節造影が診断に有用で,遠位骨端線離開との鑑別が重要となる.自験例2例では早期に観血的治療を行い,良好な成績を得た.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.29.2_30