横隔神経麻痺を合併した小児に対し吸気筋トレーニングが有効であった1例

慢性肺疾患患者に対する吸気筋訓練(inspiratory muscle training: IMT)の効果については,様々な疾患にて報告されているが,米国胸部医師学会/米国心血管・呼吸リハビリテーション学会(ACCP/AACVPR)ガイドラインでは,呼吸リハビリテーションの必須の構成項目としてルーチンに行う事を支持するエビデンスはないとしている.また小児に対するIMTの効果についても,有効性を示すエビデンスは乏しい.今回,我々は,横隔神経麻痺を合併した小児患者に対して労作時呼吸困難感の軽減を目的に,通常の理学療法に加えて4週間のIMTを行った.その結果,VC(vital capacity),I...

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Published in日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 Vol. 28; no. 3; pp. 484 - 487
Main Authors 白石, 匡, 水澤, 裕樹, 杉谷, 竜司, 福田, 寛二, 大城, 昌平, 藤田, 修平, 東本, 有司, 西山, 理, 木村, 保, 東田, 有智
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 15.04.2020
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ISSN1881-7319
2189-4760
DOI10.15032/jsrcr.28.3_484

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Summary:慢性肺疾患患者に対する吸気筋訓練(inspiratory muscle training: IMT)の効果については,様々な疾患にて報告されているが,米国胸部医師学会/米国心血管・呼吸リハビリテーション学会(ACCP/AACVPR)ガイドラインでは,呼吸リハビリテーションの必須の構成項目としてルーチンに行う事を支持するエビデンスはないとしている.また小児に対するIMTの効果についても,有効性を示すエビデンスは乏しい.今回,我々は,横隔神経麻痺を合併した小児患者に対して労作時呼吸困難感の軽減を目的に,通常の理学療法に加えて4週間のIMTを行った.その結果,VC(vital capacity),IC(inspiratory capacity),PI max(maximum inspiratory pressure)が改善し,労作時呼吸困難感も改善を示した症例を経験したため報告する.
ISSN:1881-7319
2189-4760
DOI:10.15032/jsrcr.28.3_484