Cefodizime sodiumの局所刺激性試験

新規なセフェム系抗生物質THR-221の安全性試験の一環として, ウサギを用いて眼粘膜刺激性試験, 一回投与筋肉障害性試験, 5日連続投与筋肉障害性試験および血管刺激性試験を行った. 1.25%THR-221水溶液に眼粘膜刺激性はなかった. 2. 1回投与筋肉障害性試験では, THR-221は溶解液(注射用蒸留水と局所麻酔剤のリドカイン)にかかわらず25%濃度で, 投与時に筋肉障害性がみられ, 0.75%酢酸とほぼ同程度であった. 投与7日後にはTHR-221では0.75%酢酸投与に比べて, 肉眼的および病理組織学的検査ともに, より順調な回復性がみられた. 3. 5日連続投与筋肉障害性試験で...

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Published inThe Journal of Toxicological Sciences Vol. 13; no. SupplementI; pp. 257 - 284
Main Authors 山北, 修, 小井田, 雅弘, 四宮, 充普, 今村, 健二, 中川, 正弘, 樫原, 昭裕, 入村, 兼司, 田中, 剛太郎, 吉田, 良一
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本毒性学会 1988
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Summary:新規なセフェム系抗生物質THR-221の安全性試験の一環として, ウサギを用いて眼粘膜刺激性試験, 一回投与筋肉障害性試験, 5日連続投与筋肉障害性試験および血管刺激性試験を行った. 1.25%THR-221水溶液に眼粘膜刺激性はなかった. 2. 1回投与筋肉障害性試験では, THR-221は溶解液(注射用蒸留水と局所麻酔剤のリドカイン)にかかわらず25%濃度で, 投与時に筋肉障害性がみられ, 0.75%酢酸とほぼ同程度であった. 投与7日後にはTHR-221では0.75%酢酸投与に比べて, 肉眼的および病理組織学的検査ともに, より順調な回復性がみられた. 3. 5日連続投与筋肉障害性試験では, 25%THR-221水溶液は同濃度の比較薬のCETやCTTより軽度な障害であり, 病理組織学的な筋線維の壊死・変性や間質の浮腫・出血などの回復性も良好であった. 4. 血管刺激性試験では, 10%THR-221水溶液より刺激性がみとめられ, 20%THR-221は同濃度の比較薬のCETより強く, CTTより弱い変化であった. THR-221およびCTTでは主に器質化血栓でその周囲に炎症がみられた. 5. THR-221はCTTあるいはCET同様, 臨床において筋肉内および静脈内投与する場合, 同一部位への連投を避けることが望ましい.
ISSN:0388-1350
1880-3989
DOI:10.2131/jts.13.SupplementI_257