Von Recklinghausen 病に合併した左鎖骨下動脈瘤の1例

症例は60歳,男性.当院で偶然施行したCTにて35 mm大の嚢状の左鎖骨下動脈瘤を指摘され,当科紹介となった.身体所見として多数の神経線維腫とカフェ・オレ斑を認め,また同胞内発症もあることからvon Recklinghausen病(vR病)と診断した.鎖骨下動脈瘤については胸骨正中切開で開胸し,上行大動脈から大伏在静脈を用いて左腋窩動脈にバイパスし,瘤に流入する血管をすべて結紮した.vR病には血管病変を合併することが知られているが,孤立性鎖骨下動脈瘤は稀である.破裂した際の救命率は低く,背景にvR病による血管の脆弱性があることから,早期に診断・手術することが重要である....

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 50; no. 6; pp. 420 - 424
Main Authors 植野, 恭平, 菅野, 恵, 緑川, 博文, 滝浪, 学, 新妻, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.11.2021
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Summary:症例は60歳,男性.当院で偶然施行したCTにて35 mm大の嚢状の左鎖骨下動脈瘤を指摘され,当科紹介となった.身体所見として多数の神経線維腫とカフェ・オレ斑を認め,また同胞内発症もあることからvon Recklinghausen病(vR病)と診断した.鎖骨下動脈瘤については胸骨正中切開で開胸し,上行大動脈から大伏在静脈を用いて左腋窩動脈にバイパスし,瘤に流入する血管をすべて結紮した.vR病には血管病変を合併することが知られているが,孤立性鎖骨下動脈瘤は稀である.破裂した際の救命率は低く,背景にvR病による血管の脆弱性があることから,早期に診断・手術することが重要である.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.50.420