先天性腕橈骨癒合症の特徴

目的:先天性腕橈骨癒合症(CRHS)について調査すること. 対象と方法:当科を受診したCRHS7例11肘を対象とし,性別,初診時月齢,基礎疾患,および罹患肘の強直角度を調査した. 結果:男児3例,女児4例,初診時平均月齢8か月であった.基礎疾患は尺側列形成障害が2例,ダウン症候群が1例,Antley-Bixler症候群(ABS)が3例,このうち2例はシトクロムP450オキシドレダクターゼ(POR)異常症のためホルモン補充を必要とした.罹患肘の平均強直角度は,尺側列形成障害がある例では41°,ない例では69°であった. 考察:CRHSにおいて癒合腕橈関節の強直角度は,尺側列形成障害がある例は45...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 23; no. 2; pp. 69 - 71
Main Authors 長沼, 靖, 佐竹, 寛史, 花香, 直美, 丸山, 真博, 高木, 理彰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2016
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Summary:目的:先天性腕橈骨癒合症(CRHS)について調査すること. 対象と方法:当科を受診したCRHS7例11肘を対象とし,性別,初診時月齢,基礎疾患,および罹患肘の強直角度を調査した. 結果:男児3例,女児4例,初診時平均月齢8か月であった.基礎疾患は尺側列形成障害が2例,ダウン症候群が1例,Antley-Bixler症候群(ABS)が3例,このうち2例はシトクロムP450オキシドレダクターゼ(POR)異常症のためホルモン補充を必要とした.罹患肘の平均強直角度は,尺側列形成障害がある例では41°,ない例では69°であった. 考察:CRHSにおいて癒合腕橈関節の強直角度は,尺側列形成障害がある例は45°以下,ない例は45°以上と報告されており,本調査ではそれぞれ43°以下,49°以上であった.ABSはPOR異常症が原因の一つであるが,ホルモン補充療法が不要な軽症例もみられた.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.23.2_69