収縮性心膜炎を合併した Chronic expanding hematoma

Chronic expanding hematoma (CEH)は手術や外傷を契機に,慢性的に増大する血腫で非常に稀な疾患である.症例は70歳,女性,胸部外傷歴や胸部手術歴.前医にて68歳時に心房細動に対してアブレーションを施行し,その際に右室前面に腫瘤影を指摘されたが経過観察となっていた.70歳時に心不全兆候を認め,CTでは126×76 mm大の腫瘤性病変と右室側から心尖部,左室にかけて心外膜の石灰化を認めた.CEH,収縮性心膜炎と診断し,腫瘤摘出,心外膜切除術を行った.腫瘤周囲は高度に硬化・癒着しており,腫瘤内部は泥状の内容物を伴いCEHと矛盾しない所見であった.若干の文献的考察を加えて報...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 51; no. 2; pp. 105 - 109
Main Authors 小松, 正樹, 内藤, 一樹, 茅野, 周治, 田中, 晴城, 市村, 創, 山本, 高照, 中原, 孝, 福家, 愛, 和田, 有子, 瀬戸, 達一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.03.2022
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Summary:Chronic expanding hematoma (CEH)は手術や外傷を契機に,慢性的に増大する血腫で非常に稀な疾患である.症例は70歳,女性,胸部外傷歴や胸部手術歴.前医にて68歳時に心房細動に対してアブレーションを施行し,その際に右室前面に腫瘤影を指摘されたが経過観察となっていた.70歳時に心不全兆候を認め,CTでは126×76 mm大の腫瘤性病変と右室側から心尖部,左室にかけて心外膜の石灰化を認めた.CEH,収縮性心膜炎と診断し,腫瘤摘出,心外膜切除術を行った.腫瘤周囲は高度に硬化・癒着しており,腫瘤内部は泥状の内容物を伴いCEHと矛盾しない所見であった.若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.51.105