重症外傷による気道緊急・呼吸不全に対しvenovenous extracorporeal membrane oxygenation (VV-ECMO) を使用した9例の検討
近年, 重症呼吸不全においてvenovenous extracorporeal membrane oxygenation (以下VV-ECMO) の使用の有用性が指摘されている. しかし, 外傷症例については出血リスク等により敬遠されてきた. 今回2007年4月から2018年3月までに当院へ搬送された外傷症例のうちVV-ECMOを使用した9例を後方視的に検討した. 9例中5例 (55.6%) が生存し, 導入によりpH, PaCO2の改善をもたらした. 死亡例2例にECMO導入により循環動態の増悪を来たした可能性が考えられた. 本治療法は重症外傷に対しても有用である可能性があるが, 導入時の循...
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Published in | 日本外傷学会雑誌 Vol. 33; no. 4; pp. 366 - 372 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本外傷学会
20.10.2019
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Subjects | |
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ISSN | 1340-6264 2188-0190 |
DOI | 10.11382/jjast.33.366 |
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Summary: | 近年, 重症呼吸不全においてvenovenous extracorporeal membrane oxygenation (以下VV-ECMO) の使用の有用性が指摘されている. しかし, 外傷症例については出血リスク等により敬遠されてきた. 今回2007年4月から2018年3月までに当院へ搬送された外傷症例のうちVV-ECMOを使用した9例を後方視的に検討した. 9例中5例 (55.6%) が生存し, 導入によりpH, PaCO2の改善をもたらした. 死亡例2例にECMO導入により循環動態の増悪を来たした可能性が考えられた. 本治療法は重症外傷に対しても有用である可能性があるが, 導入時の循環血液量の確保と, 損傷部位に応じた返血部位の検討が必要であると考える. |
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ISSN: | 1340-6264 2188-0190 |
DOI: | 10.11382/jjast.33.366 |