ARDS診療におけるステロイド使用の留意点:効果未確認の病態とポイント

ARDS診療におけるステロイド療法について,ステロイドを投与すべきでない対象疾患,ステロイドの投与量,投与時期,投与期間など,現在までの知見で判明している問題点を概説した.インフルエンザウイルス感染,ARDS発症から14日目以降はステロイドを投与すべきでない.我が国の呼吸器内科専門医施設で用いられることの多いステロイドパルス療法は,ARDSに対しては,近年否定的なデータが報告されている事を認識する必要がある.疾患や病態によって,ステロイドが負の効果を示すため,呼吸器内科医として,“とりあえずパルス療法”の考え方を改める事を強調したい....

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Published in日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 Vol. 30; no. 2; pp. 181 - 184
Main Author 一門, 和哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 28.04.2022
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ISSN1881-7319
2189-4760
DOI10.15032/jsrcr.30.2_181

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Summary:ARDS診療におけるステロイド療法について,ステロイドを投与すべきでない対象疾患,ステロイドの投与量,投与時期,投与期間など,現在までの知見で判明している問題点を概説した.インフルエンザウイルス感染,ARDS発症から14日目以降はステロイドを投与すべきでない.我が国の呼吸器内科専門医施設で用いられることの多いステロイドパルス療法は,ARDSに対しては,近年否定的なデータが報告されている事を認識する必要がある.疾患や病態によって,ステロイドが負の効果を示すため,呼吸器内科医として,“とりあえずパルス療法”の考え方を改める事を強調したい.
ISSN:1881-7319
2189-4760
DOI:10.15032/jsrcr.30.2_181