在宅要介護高齢者のグリセリン浣腸による有害事象を回避し排便を促進する新規看護実践フローの提案

本研究は, 在宅要介護高齢者にグリセリン浣腸による溶血や, 溶血が原因となる腎機能障害を回避しながら, グリセリン浣腸と摘便を含む排便ケアにより, 安全かつ適切に排便を促すことができる新規看護実践フローを作成することを目的とした. 看護実践フローの作成には, 先行研究で得られた訪問看護師のアセスメントや排便のケア内容, 溶血の原因となる粘膜損傷の危険性が高い状況に関する知見を用いた. まず, グリセリン浣腸の有害事象を回避する視点で看護実践フローのプロトタイプを作成した. つぎに, プロトタイプに, 訪問看護師が実施していたアセスメント項目と排便ケアを採用できるか否か検討し, アセスメント基準...

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Published in日本看護技術学会誌 Vol. 23; pp. 105 - 114
Main Authors 栗田, 愛, 武田, 利明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護技術学会 20.08.2024
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Summary:本研究は, 在宅要介護高齢者にグリセリン浣腸による溶血や, 溶血が原因となる腎機能障害を回避しながら, グリセリン浣腸と摘便を含む排便ケアにより, 安全かつ適切に排便を促すことができる新規看護実践フローを作成することを目的とした. 看護実践フローの作成には, 先行研究で得られた訪問看護師のアセスメントや排便のケア内容, 溶血の原因となる粘膜損傷の危険性が高い状況に関する知見を用いた. まず, グリセリン浣腸の有害事象を回避する視点で看護実践フローのプロトタイプを作成した. つぎに, プロトタイプに, 訪問看護師が実施していたアセスメント項目と排便ケアを採用できるか否か検討し, アセスメント基準と実践を追加した. さらに, 文献検討により, 作成したフローの妥当性についても検討し, グリセリン浣腸による有害事象を回避しながら, 対象者の便秘の状況が推測でき, 効果的に排便を促進できると考えられるグリセリン浣腸と摘便を含む排便ケアの新規看護実践フローを作成した.
ISSN:1349-5429
2423-8511
DOI:10.18892/jsnas.23.0_105